採用コラム
Column就労継続支援A型・B型とは?
就労継続支援サービスの種類と概要
障がいのある方が利用できる就労支援サービスの中でも、特に「就労継続支援A型」と「就労継続支援B型」は重要な選択肢です。これらのサービスは、2013年4月に施行された「障害者総合支援法」に基づき提供される障がい福祉サービスです。この法律では、利用者が自らサービスを選び契約できる「自立支援給付」を「福祉サービスを受ける権利」と位置づけています。
就労継続支援A型・B型は、この自立支援給付の中の「訓練等給付」として提供されます。このサービスは、利用料を金銭で支給するのではなく、サービスの提供という「現物給付」の形で支給されることが特徴です。
就労継続支援とは?
働く意思があるにもかかわらず就労機会に恵まれない方や、適切な支援があれば就労できる方に対し、就労機会を提供するサービスです。利用者は、それぞれの生活状況や障がいの程度に合わせて、A型またはB型を選択できます。
受給条件として、今までに利用したサービス内容が所定の項目と合致していることが必要です。
就労継続支援A型
就労継続支援A型は、利用者と事業者が雇用契約を結ぶ「雇用型」の就労支援サービスです。
利用者は事業所へ通い、就労機会を得ると共に、最低賃金が保障されます。就労と並行して、一般就労に必要な知識や技術の訓練、健康管理指導、相談支援などを受けられます。事業者は、利用者の一般就労への移行に向けた支援も行います。
利用者像としては、就労機会の提供を通じ、生産活動に必要な知識や能力の向上を図ることにより、雇用契約に基づく就労が可能な方(利用開始時65歳未満の方)です。
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具体例
- 就労移行支援事業を利用したが雇用に結びつかなかった方。
- 特別支援学校卒業後に就職活動を行ったが雇用に結びつかなかった方。
- 就労経験があるが現在雇用関係がない方。
利用期間の制限はありませんが、原則として65歳未満が対象です(特定の条件下で継続利用可)。各事業所によってサービス内容は異なりますが、就労内容がより実践的であるため、一般企業への就職者が就労継続支援B型よりも多い傾向にあります。
※例外として、65歳に達する前5年間障害福祉サービスの支給決定を受けていた方で、65歳に達する前日において就労継続支援A型の支給決定を受けていた方は引き続き利用することができます。
就労継続支援B型
就労継続支援B型は、利用者と雇用契約を結ばない「非雇用型」のサービスです。
雇用契約を伴わないため、最低賃金の保障はなく、報酬額は事業所によって異なります。利用者は事業所へ通い、就労や生産活動の機会を提供されます。就労内容は比較的単純作業が多く、利用者の能力や障がい特性に応じたペースで作業が可能です。
利用者像としては一般企業での雇用が困難な方や、一定年齢に達している方で、生産活動を通じて知識や能力の向上・維持が期待される方です。
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具体例
- 一般就労から年齢や体力などの理由で離職したが、生産活動を続けたい方
- 50歳に達している方、障害基礎年金1級受給者の方
- 就労移行支援後に、必要な体力や職業能力の不足等により就労に結びつかなかった方
A型と同様に、一般就労に必要な知識や技術訓練、健康管理指導、相談支援も受けられます。事業者は、利用者の就労継続支援A型や一般就労への移行支援も行います。工賃は低めですが、利用に年齢制限がなく、個々のペースで柔軟に利用できるメリットがあります。
就労継続支援の利用方法
就労継続支援の対象者は、身体障がい、知的障がい、精神障がい、発達障がい、難病などがある方です。A・B型ともに障がい支援区分は問われません。障害者手帳は必須ではない場合もありますが、事業所によって異なるため、主治医が利用の必要性を認めれば手帳なしでも申請可能な場合があるため、まずは希望する事業所への事前相談が重要です。
利用の具体的な流れは以下の通りです。
- 主治医に相談
- 希望の事業所を探す
- 市区町村窓口で利用申請
- サービス等利用計画案の提出
作業内容によっては体力や継続が求められるため、まず主治医に相談し、利用の可否を確認します。
市区町村の窓口やハローワーク、インターネットなどで事業所を探し、事前に見学や相談をすることが推奨されます(A型は求人応募・面接、B型は作業体験も可能)。
A型は採用内定後、B型は事業所との相談で利用が決まった後に申請します。申請後、聞き取り調査や会議を経て支給が決定されます。
サービス利用には必須で、指定特定相談支援事業者が作成するのが一般的ですが、自己作成も可能です。
受給者証の発行、事業所との契約、通所開始、支給決定後、障がい福祉サービス受給者証(受給者証)が発行されます。これは障がい者手帳とは別物で、事業所へ持参し契約後に通所開始となります。受給者証には有効期限があり、定期的な更新が必要です。
まとめ
就労継続支援サービスには、利用者の生活状況や障がい特性に応じて選択できる雇用型のA型と非雇用型のB型の2種類があります。A型は最低賃金が保障され一般就労への移行が多い傾向にある一方、B型は年齢制限がなく、個々のペースに合わせた柔軟な作業が可能です。利用を希望する際は、まず主治医に相談し、気になる事業所へ実際に相談・見学することが推奨されます。